Auの伝説INFOBARは現在も使える?歴代の進化と新型の噂を追う
2003年10月、携帯電話市場に走った鮮烈な衝撃を覚えているでしょうか。プロダクトデザイナーの深澤直人氏とKDDIがタッグを組み、世に送り出した初代「INFOBAR(インフォバー)」。赤、白、水色のタイル状キーが織りなす「NISHIKIGOI(錦鯉)」カラーは、単なる通信ツールに過ぎなかった携帯電話を、一瞬にして誰もが憧れるカルチャーアイコンへと押し上げました。
誕生から20年以上が経過した2026年の今もなお、ファンの間では「中古のINFOBARは今も通話できるのか」「5G時代に対応した新型・後継機は出るのか」といった話題が尽きません。ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品にも選ばれた不朽の名作について、歴代モデルの歩みから現在の通信事情、さらには復刻プロジェクトの舞台裏まで徹底取材しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2018年発売の「INFOBAR xv」は4G LTE(au VoLTE)対応のため2026年現在も実用可能だが、初代〜A03までの3Gモデルは停波により通信機能が利用不可。
- 要点2:深澤直人氏が手掛けた「au Design project」の象徴であり、2024年の初代型Apple Watchケース復刻など、時代を超えて形を変えながら愛され続けている。
- 要点3:ファン待望の新型5Gモデルの噂や、コレクターズアイテム化する中古相場、ガラホとスマホの機能差まで知っておくべきポイントを網羅。
【現在使えるか?】歴代INFOBARの通信規格と3Gサービス終了の真実
まず多くのユーザーが気になっている「INFOBARは現在も使えるのか」という疑問ですが、結論から言えば2018年に発売された15周年記念モデル「INFOBAR xv」のみ現役で利用可能です。
auは2022年3月末をもって「CDMA 1X WIN」をはじめとする3G携帯電話向けサービスを完全に終了しました。これに伴い、3G回線専用だった初代INFOBAR、INFOBAR 2、そしてスマートフォンとして登場したINFOBAR A01、A02、A03といった歴代機種は、すべて電波を掴むことができなくなっています。これが「過去のINFOBARがサービス終了で使用不可となった最大の理由」です。
一方、シリーズ第6弾として登場した「INFOBAR xv」は、外見こそ懐かしいストレート型ケータイですが、中身は4G LTEおよび高音質通話「au VoLTE」に対応した4Gフィーチャーフォン(通称:ガラホ)です。そのため、2026年の現在でもauの現行プランや対応する格安SIM(au回線MVNO)を挿せば、クリアな音声通話やテザリング、SMSを問題なく利用できます。
【深澤直人デザインの原点】au Design projectが放った「ニシキゴイ」の衝撃
INFOBARの歴史を語る上で欠かせないのが、世界的デザイナーである深澤直人氏の存在と、KDDIのデザインイニシアチブ「au Design project」の功績です。
2000年代初頭、携帯電話各社は折りたたみ構造やカメラの画素数、液晶サイズといったスペック競争に明け暮れていました。無機質なシルバーや黒の端末が売り場を埋め尽くす中、2003年に登場した初代INFOBARは、まるで板チョコのようにフラットな棒状ボディに、鮮烈なカラーブロックを大胆に配置。特に日本の伝統色をモダンに再解釈した「NISHIKIGOI(ニシキゴイ)」は、老若男女を問わず熱狂的な支持を集めました。
深澤直人氏が提唱した「人の無意識の行動に寄り添うデザイン(Without Thought)」は、指先が自然にキーの段差を感じ取る心地よい操作感を実現。その芸術的価値は国際的にも極めて高く評価され、初代INFOBARおよびINFOBAR 2は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のデザインコレクションに永久収蔵されるという、日本の工業製品として異例の快挙を成し遂げました。
【歴代モデルの進化史】初代からスマホへの変遷と15周年記念「xv」まで
INFOBARシリーズは、時代のテクノロジーの潮流に合わせてその姿をダイナミックに変貌させてきました。歴代の代表的なモデルを振り返ります。
初代 INFOBAR(2003年)
すべてはここから始まりました。ストレート型マグネシウム合金フレームに、タイル状の四角いキーを敷き詰めた伝説のモデル。カラーはNISHIKIGOIのほか、ICHIMATSU(市松)、BUILDING、ANNIN(杏仁)を展開し、デザインケータイという新たなジャンルを確立しました。
INFOBAR 2(2007年)
「口の中で溶けかけた飴玉」をモチーフに、丸みを帯びた有機的なフォルムへと進化。ワンセグ放送やおサイフケータイに対応し、ストレート型端末としての完成度を極めました。カラーはNISHIKIGOI、SILVER、MIDORI、WARM GRAYの4色。
INFOBAR A01 / A02 / A03(2011年〜2015年)
スマートフォン全盛期に突入し、Android OSを搭載して登場したスマートフォンスタイル。中村勇吾氏が手掛けた独自UI「iida UI」は、タイルが滑らかに上下する唯一無二の操作感で話題を呼びました。HTCと協業したA02、アルミボディを採用したA03など、スマホの画一化に抗う挑戦を続けました。
INFOBAR xv(2018年)
INFOBAR生誕15周年を記念して原点回帰を果たしたモデル。初代のサイズ感を再現しつつ、画面フレームレスのスマートなストレート型ガラホとして復活しました。歴代の血統を受け継ぐ美しいキー配列と、質感にこだわったマットな外装が絶賛されました。
【ガラホとスマホの違い】INFOBAR xvの評判とリアルな使い心地
「INFOBAR xv」を現在手に入れて使いたいと考える人が直面するのが、「スマホとガラホ(4Gケータイ)の明確な違い」です。
INFOBAR xvはAndroidベースのOSを採用していますが、タッチパネル操作には非対応で、画面タッチではなく本体の物理キーを使って操作します。また、Google Playストアからのアプリ追加には非対応となっており、一般的なスマートフォンのように自由自在にアプリをインストールすることはできません。
一方で、近年のデジタル疲れを背景にした「デジタルデトックス需要」から、xvの評判は再燃しています。通話、SMS、PCやタブレットをつなぐWi-Fiテザリング、FMラジオといった必要十分な機能に絞り込まれているため、「サブ機としてこれ以上美しい端末はない」「余計なSNS通知に惑わされず快適」というコアな愛用者が数多く存在します。
【新型・後継機の噂】初代INFOBAR型Apple Watchケースとauの復刻戦略
「5G対応の新型INFOBARは出るのか?」という問いに対して、KDDI側から正式な次期端末の開発発表は現時点で行われていません。しかし、INFOBARというブランド自体は決して過去の遺産ではなく、現在も精力的に展開されています。
象徴的だったのが、2024年に実施されたクラウドファンディング企画「初代INFOBAR型 Apple Watch Case」です。Apple Watchをはめ込むことで、初代INFOBARの姿を忠実に再現できる専用ケースが開発され、目標金額をわずか数時間で達成。目標達成率1000%を超える大反響を記録しました。
KDDIが定期的にINFOBARの復刻や関連プロジェクトを仕掛ける背景には、auブランドが誇る最大の差別化要因「デザインのDNA」を若い世代やコアファンに継承し続ける狙いがあります。次世代通信の普及や折りたたみディスプレイ技術の進化に伴い、新たなコンセプトによる「新型INFOBARの登場」を期待する声は社内外で根強く囁かれ続けています。
【中古相場と購入時の注意点】コレクター用途と実用目的の見分け方
2026年現在、INFOBARシリーズをフリマアプリや中古ショップで購入する際は、目的をはっきりと分ける必要があります。
まず、初代INFOBARやINFOBAR 2、A01〜A03などは、前述の通り通信機能が使えないため「コレクション・インテリア用途」となります。中古市場では状態の良いNISHIKIGOIカラーの初代が1万円〜2万円前後のプレミアム価格で取引されることも珍しくありません。
一方、日常で実用するために「INFOBAR xv」を求める場合、中古相場は状態に応じて1万5,000円〜3万円程度で推移しています。xvを購入する際のチェックポイントは以下の通りです。
・バッテリーの劣化具合:内蔵バッテリー交換はメーカー修理受付の状況に左右されるため、充電持ちの状態確認が必須。
・外装の塗装剥げ:特にキーボードの角や背面パネルの擦れやすさを確認。
・SIMロック解除の有無:他社回線やMVNOで利用したい場合は、SIMフリー化されているかを確認。
【au infobar】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:INFOBAR xvでLINEは使えますか?
A1:かつてガラホ向けに提供されていた専用LINEアプリはサービスを終了しているため、2026年現在、INFOBAR xv単体でのLINEメッセージ送受信は原則として利用できません。通話、キャリアメール、SMS、ブラウザ閲覧、テザリングが主な用途となります。
Q2:初代INFOBARを部屋のインテリアや時計として使えますか?
A2:充電器(専用卓上ホルダや古いACアダプタ)が手に入れば、電源を入れて画面を表示させることは可能です。ただし内蔵バッテリーが完全に放電・劣化している個体も多いため、通電確認済みの商品を選ぶ必要があります。
Q3:INFOBARの5G対応モデルが発売される可能性はありますか?
A3:KDDIは「au Design project」を通じて定期的にデザインコンセプトを発信しており、ファンの熱意も高いため、アニバーサリーイヤーや新たなハードウェア形態(小型デバイス、スマートウォッチ連携など)での展開は十分に期待されています。
まとめ:色褪せないデザインの哲学とINFOBARが残した遺産
誕生から四半世紀近くが経とうとする今も、INFOBARが放つ独特の存在感は少しも色褪せていません。四角い板状のスマートフォンが画一化してしまった現代だからこそ、持つ人の感性を刺激する鮮やかな錦鯉カラーと、深澤直人氏による研ぎ澄まされた造形美が再評価されています。
実用機としてINFOBAR xvを大切に使い続ける人も、歴代のプロダクトをアートピースとして愛でる人も、その根底にあるのは「持ち物に自分らしさを宿したい」という純粋な想いです。時代や通信規格がどれほど進化しようとも、INFOBARが日本のプロダクトデザイン史に刻んだ輝きは、これからも語り継がれていくはずです。 (出典: au infobar(Yahoo!ニュース))